モルフォロジー勾配(Morphological Gradient)
モルフォロジー勾配(Morphological Gradient)は、画像処理におけるモルフォロジー演算の一つです。モルフォロジー勾配は、画像中の物体や構造のエッジや輪郭を強調するために使用されます。
モルフォロジー演算は、画像中の形状や構造を操作するための数学的な手法です。モルフォロジー勾配は、膨張(dilation)と収縮(erosion)という二つの基本的なモルフォロジー演算を組み合わせて計算されます。
モルフォロジー勾配の計算手順は次のようになります:
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元の画像に対して、収縮演算を適用します。収縮演算は、画像内の物体を収縮させる操作であり、物体の境界線を収縮させることになります。これにより、物体の内部領域が縮小され、物体のエッジが強調されます。
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同じ元の画像に対して、膨張演算を適用します。膨張演算は、画像内の物体を膨張させる操作であり、物体の境界線を膨張させることになります。これにより、物体の外部領域が拡大され、物体のエッジが強調されます。
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収縮された画像と膨張された画像の差分を計算します。つまり、収縮された画像から膨張された画像を引くことで、元の画像の物体のエッジのみを抽出します。これにより、画像中の物体のエッジや輪郭が強調された画像が得られます。
モルフォロジー勾配は、物体や構造のエッジを抽出するために使用されます。特に、物体の形状や構造の変化を検出したり、画像中の物体の位置や境界線を分析する際に有用です。また、モルフォロジー演算は形状ベースの画像処理やバイナリ画像処理に広く応用されており、モルフォロジー勾配もその一部として重要な役割を果たしています。