氣孔(Porosity)
鋳物・鉄の用語で「氣孔(Porosity)」とは、鋳造品内部に存在する微小な気泡や空洞のことを指します。鋳造プロセス中に溶融金属中に含まれる気体が凝固時に鋳型内に閉じ込められることで発生します。これにより、鋳造品内部に複数の小さな孔や気泡が分布することがあります。
氣孔は鋳造品の品質に悪影響を及ぼす可能性があります。以下に氣孔が鋳造品に与える影響をいくつか挙げます。
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強度低下: 氣孔が鋳造品内部に存在すると、部品の機械的な強度が低下する可能性があります。気泡や孔が応力集中点となり、部品の破壊や変形を引き起こすことがあります。
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液体・気体の浸透: 氣孔は液体や気体の浸透を促進する経路となることがあります。特に液体の浸透は部品の耐久性や密度に悪影響を与える可能性があります。
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表面の欠陥: 鋳造品表面に近い氣孔が存在する場合、表面の欠陥や不均一な仕上がりを引き起こすことがあります。これは、鋳造品の見た目や表面加工に影響を与える可能性があります。
氣孔の発生を最小限に抑えるためには、以下のような対策が取られます。
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鋳型の改善: 鋳型内の気泡発生を防ぐために、鋳型の設計や材料選定を改善します。また、鋳型表面に特殊なコーティングを施すこともあります。
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去気処理: 溶融金属中の気泡を除去するために、鋳造前に適切な去気処理を行います。これにより気泡の発生を抑制し、氣孔を最小限にします。
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鋳造パラメーターの最適化: 鋳造の温度、圧力、冷却速度などのパラメーターを最適化することで、氣孔の発生を制御します。