コークス(Coke)
鋳物・鉄の用語で「コークス(Coke)」とは、鉄鋼製造などの冶金プロセスにおいて燃料として使用される固体物質です。コークスは石炭を高温で熱処理することによって得られます。
コークスは石炭の有機物質を除去し、高濃度の炭素を含む固体となります。そのため、燃焼時には高い熱量を発生し、鋼鉄の製造において重要なエネルギー源として利用されます。
主な用途としては、高炉での鉄鉱石の還元反応や鉄鋼製造プロセスにおける溶鉱炉での燃料として使われます。高炉内でコークスは鉄鉱石を還元し、鉄を生産するための熱エネルギーを提供します。また、鋼鉄の精錬や溶解時にもコークスが燃料として使用されます。
コークスは石炭に比べて高い炭素含有量と低い灰分含有量を持つため、高い熱効率や燃焼安定性を提供します。また、コークスは堅固な物質であり、高温環境下でも耐久性があります。
一般的には、コークスはブロック状や粉末状で供給されます。冶金プロセスにおいては、コークスが製鋼所や鋳造所の燃焼装置に供給され、熱エネルギーと還元作用を提供する役割を果たします。
なお、コークスは石炭から得られるため、石炭の質や処理方法によっても特性が異なります。鋳物・鉄鋼製造においては、適切なコークスの選択と管理が重要となります。