垂直鋳造(Vertical Casting)
鋳物・鉄の用語で「垂直鋳造(Vertical Casting)」とは、鋳造プロセスの一種であり、金属を垂直に注ぎ込む方法を指します。一般的な鋳造方法である水平鋳造(Horizontal Casting)とは異なり、垂直鋳造では鋳造型が鉛直に配置され、金属が下向きに注がれます。
垂直鋳造は、以下の特徴を持ちます:
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重力充填: 垂直鋳造では、金属が重力の効果で鋳型内に流れ込みます。鋳造材料は鋳型の上部に注がれ、自然に下方へと充填されるため、鋳造品の形状や内部構造が重力によって形成されます。
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結晶方向の制御: 垂直鋳造では、金属の結晶成長方向が鋳造品の垂直方向に対して垂直になるように制御されます。これにより、鋳造品の結晶構造が一様になり、均一な物性を持つことが期待されます。
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冷却条件の制御: 垂直鋳造では、鋳型の下部が冷却され、鋳造品が下方に固化するため、冷却速度が制御しやすくなります。冷却速度の制御により、鋳造品の結晶粒の成長や凝固組織の制御が可能となります。
垂直鋳造は、鋳造品の品質や性能を向上させるために使用されることがあります。特に大型の鋳造品や高品質な金属部品の製造に適しており、均一な結晶構造や優れた機械的特性を実現することができます。