クラウドAIとは何か
AIの導入を検討するにあたり、「エッジAI」と「クラウドAI」の2種類の言葉をよく見かけるかと思います。ここではそのうちの「クラウドAI」について、クラウドAIとはどういうものか、クラウドAIにはどんな課題があるか紹介させていただきます。
クラウドとは
クラウドとは、ユーザがサーバ等のインフラ環境やソフトウェアを持っていなくても、インターネットを通して必要な時に必要な分だけ使用できる仕組みを指します。
クラウドには様々なサービス形態があり、インターネット経由でソフトウェアを使用できるSaaS(Software as a Service)、サーバの性能やWindows等のオペレーティングシステムを選択して使用できるPaaS(Platform as a Service)、インターネット上のサーバやネットワーク機器等のハードウェアを使用できるIaaS(Infrastructure as a Service)等があります。
PaaSとIaaSの違いとしては、ハードウェア上で使用するソフトウェアもサービスとして使用できるのがPaaS、ソフトウェアは自前で準備する必要があるのがIaaSになります。
クラウドの名称につきましては諸説ありますが、英単語の「cloud(雲)」からきておりネットワークを図解する際に雲の絵を使用することが多かったからと言われております。
クラウドAIとは
クラウドAIとは、端末が取得したデータをクラウドに送信し、クラウド上でAI学習や学習したAIの推論を行うものになります。一般的に提供されているAIサービスの多くが、このクラウドAIを使用しております。
- クラウドAIの特徴
- 処理が重い複雑な処理が可能
高速なサーバを使用することができるため、一般的なPCではできない重い処理を行うことができます。また、工場全体のライン状況等の大規模なデータを高速に処理することも可能です。
- ユーザの環境に依存せず処理が可能
ユーザが使用する環境は様々あり、使用する端末でもスマートフォン・タブレット・PCがあり、PCのオペレーティングシステムでもWindows・Mac・Linux等あります。AIサービスとして、これらすべてに対応するにはそれぞれの環境にあったシステムを開発・準備する必要があり、システム開発の工数やシステム導入準備の時間が莫大なものになります。
クラウドAIでは、複雑な処理をクラウド上で行うため、ユーザの環境ではAIで処理してほしいデータを送る準備をするだけで良く、あとはクラウド上でAIが処理した結果を確認できます。
インターネットに接続できていれば、環境を考えず、どこでもAIを使用することが可能になります。
クラウドAIの課題とエッジAI
これまでクラウドAIのメリットを中心に見てきましたが、ここではクラウドAIの課題をいくつか指摘しつつ、それらを解決する方法の一つとして、エッジAIをご紹介したいと思います。
- クラウドAIの課題
- オフラインで使用できない
AIの処理をクラウドで行うため、インターネットに接続されてないとクラウドAIは使用することができません。
- リアルタイムでの処理が難しい
AIで処理してほしいデータをインターネットを通してクラウドに送信し、クラウドでの処理結果をユーザに送り返すため通信時間がかかってしまい、リアルタイムで処理を行いたい場合に、遅延が発生してしまいます。
また、工場の設備からデータを送る場合、設備の数の膨大なデータを送信するとネットワークの通信速度に影響が生じ、さらにリアルタイムでの処理が困難になります。
- 機密データをクラウドに送信が難しい
AIで処理したいデータが企業の機密情報である場合、クラウドにデータを送信することはセキュリティルール上できない可能性があります。
- エッジAIとは
エッジAIについては、こちらの記事で詳しく説明させて頂いておりますが、文字通り、AIに必要な計算処理をクラウドにあげることなく現場のエッジデバイスで行うことを指し、以下のような特徴をもっています。
- オフラインでの使用が可能
オフラインで使用する場合、ネットワーク障害が発生してもエッジでのAI処理に影響がでることはありません。セキュリティ上、インターネット接続ができない環境下でも問題なく使用可能です。
- リアルタイムでの処理が可能
エッジでAI処理を行うため、通信時間の遅延が発生せずにリアルタイムでの処理が可能です。
- 機密の保持が可能
機密データをクラウドに送信せずに、企業内で処理が完結するため、情報漏洩のリスクを軽減でき、機密の保持が可能です。
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クラウドAIまとめ
本記事ではクラウドAIとは何か、そしてのメリットとデメリットについてご紹介しました。
- クラウドAIのメリット
- 処理が重い複雑な処理が可能
- ユーザの環境に依存せず処理が可能
- クラウドAIのデメリット
- オフラインで使用できない
- リアルタイムでの処理が難しい
- 機密データをクラウドに送信が難しい
いかがでしたでしょうか?弊社ではクラウドAIの抱える課題及び製造現場のニーズを十分に考慮し、現場でのAI導入を迅速かつ簡単に行えるエッジデバイスニューラルキューブを販売しています。
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