エッジAIとは。なぜ現場近くでAI活用すべきなのか
近年、エッジAI、具体的にはエッジデバイスでAIを活用した事例が増えています。本記事ではエッジAIとは何か、そしてなぜ現場近くでAIを活用すべきか、について説明したいと思います。
エッジデバイスとは
そもそも、エッジデバイスとは、クラウドから遠い場所のエッジ(端)、より現場の近くにある端末のことです。
具体的にはスマートフォンやスマートスピーカー、車、カメラなどのIoTデバイスを指しますが、製造現場ではGPUなどの演算装置を組み込んだボックスを導入するケースが一般的です。
現場の製造ラインから得られた情報をクラウドや社内サーバで処理を行うと遅延の発生やネットワークの負荷が高くなるため、エッジで処理を行うことで遅延なく処理が行え、ネットワークの負荷も軽減することが可能になるわけです。
エッジAIとは
さて、その中でも特に、近年注目されている領域にエッジAIというものがあります。エッジAIは文字通り、AIに必要な計算処理をクラウドにあげることなく現場のエッジデバイスで行うことを指します。
インターネットに接続することなく、スタンドアローンで動作可能なため、通信障害や、セキュリティなどの面からクラウドに対して利点があります。
エッジデでAIの演算処理を実行させるためには、並列演算を行えるデバイスが必要となります。そこで注目されているのがNVIDIA社が提供しているJetsonシリーズです。Jetsonシリーズは、非常にコンパクトながら高速にAIを実行することが可能です。また、Jetsonシリーズは、シリーズ内で同一のアーキテクチャの元作成されているため、プログラムの移植も容易に行うことが可能です。
なぜ現場近くでAIを活用すべきなのか
製造現場における設備には、以下の点が求められます。
・リアルタイム性
・安定動作
・メンテナンスの容易さ
先に述べたように、製造現場にはリアルタイム性が求められます。製品によっては1秒未満に1個生産される物もあるからです。仮にネットワークによる遅延が発生した場合、それはそのまま製品の生産数へ影響を与えます。
また、ネットワーク異常により、クラウドへアクセスすることが出来なくなってしまった場合は、より深刻であると考えられます。例えば、工場の複数の設備がクラウドへ接続され、クラウド上でAIの処理を行っている場合、ネットワーク異常により全ての設備を止めざるおえない自体が生じます。ネットワーク異常の場合、その原因がインフラである場合もあるため、全ての設備を長時間止めておかなくてはならない場合も考えられます。設備を止めている時間にもよりますが、その損失は膨大なものになると考えられます。
これらの理由から製造現場においては、現場近くのエッジデバイスにてAIを活用すべきであると考えています。各ラインにエッジデバイスを設置し、処理を行わせれば、万が一、1台が停止してしまっても、他の設備に影響を与えることがことがなく、被害を最小限で抑えることが可能となるからです。また、原因のデバイスが設備の近くにあることから、復旧をまつのではなく、積極的に修理を行うことができるメンテナンスの容易さもエッジデバイスのメリットであると考えられます。
エッジAIまとめ
本記事ではエッジAIとは何か、またどうして現場近くでAIを活用すべきなのか、ということについてご説明させて頂きました。
弊社では、製造現場のニーズを十分に考慮し、現場でのAI導入を迅速かつ簡単に行えるエッジAIデバイスニューラルキューブを販売しています。
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