ディープラーニング画像認識が外観検査に与えるインパクト

ディープラーニングという手法は、AIを世の中に普及させるのに非常に大きな役割を果たしました。そして製造現場の外観検査という分野もその例外ではありません。
以下は、そんなディープラーニングについての説明となります。
ディープラーニングとは
ディープラーニング(Deep Learning)とは、人工知能の中でも特に「深層学習」と言われる分野で、人間の脳の仕組みを模倣したニューラルネットワークというものを構築し、様々なデータをインプットすることで機械が自動的に特徴を抽出して、パターン認識できるようになる機械学習のことです。
ディープラーニングの研究自体は古くからありましたが、ハードウェア技術の進歩もあり2010年代ごろから飛躍的に研究が進んだ分野です。
特に画像認識では高い性能を示しており、人と遜色ない、または人以上の識別精度が報告されています。
従来の画像処理検査
従来の画像処理を用いた外観検査には、
① 検査範囲を限定する必要がある
② 閾値設定が難しい
といった課題があり、これらにより生産現場が満足できる判定精度を実現するのは難しいというのが実情でした。
ディープラーニングを利用した外観検査
上述の通り、従来の画像処理検査ではなかなか満足いく判定精度は得られませんでした。そこへディープラーニングにより発展した画像認識技術を取り入れることで、実用的な判定精度を得られるようになりました。
まず、画像処理の課題であった「①検査範囲を限定する必要がある」に対して、ディープラーニング画像認識の場合は検査範囲の限定は必要ありません。
ディープラーニングの場合は、画像全体が検査対象となるので、検査したい範囲が画像に映ってさえいればいいのです。そこに調整のための労力はかかりません。ただし、逆に言うと撮影した画像の質(はっきりと欠陥が映っているか等)が判定精度に直結すると言っても過言ではないほど重要になります。
「②閾値設定が難しい」に対しては、ディープラーニングの場合ほぼ解決されます。基本的に、学習済みのニューラルネットワークは未知の画像が入力されたときにそれが不良品である確率を出力します。
1.0は確実に不良品、0.0は確実に良品、といった具合です。たとえば0.5という出力があったときに、それを良品とするか不良品とするかは人が画像もしくは実物を見て決める必要があります。このように閾値設定が全く不要になるわけではありませんが、その労力は従来の方法と比べて、大きいものではありません。
このように画像による製品の外観検査を実用的なものにしたという点で、ディープラーニング画像認識は検査機業界に非常に大きなインパクトを与えました。画像認識を含むディープラーニングについては現在も研究が活発に行われており、今後も注目すべき技術であることは間違いないでしょう。
ディープラーニング画像認識が外観検査に与えるインパクトのまとめ
いかがだったでしょうか?
ディープラーニング画像認識が外観検査に与えるインパクトをご紹介しました。
AI外観検査装置の導入をご検討の方はぜひ参考にしてみてください。