外観検査におけるAIモデルの種類(教師なし、教師あり)について
製造現場で使われるAIモデルの種類
製造現場で使われるAIモデルは大きく分けて3種類あります。
- Classification(分類)
- Object Detection(検知)
- Auto Encoder
以下では、各モデルについて順番に説明します。
① Classification(分類)
この中でも1番シンプルなのが、Classification(分類)です。
Classificationはその名前の通り、画像データを良品/不良品に分類することが可能です。
単純にOK、NGで製品を分類したい場合には、おすすめの手法となっています。
また、複数種類の状態を学習させることで、OK、NGのどちらかへの分類だけでなく複数の状態へ分類することも可能です。
構造もシンプルで、3つの中で作る手間もかからない手法です。
学習手法としては、は教師あり学習(学習データに正解を与えた状態で学習させる手法)です。
② Object Detection(物体検知)
Classificationの次におすすめなのがObject Detection(物体検出)です。
画像データの中で不良品の中にある欠陥に該当する部分をバウンディングボックスで囲ってくれる為、どこに欠陥があるのか一目で分かります。
その分、AIを作るときのアノテーション作業も大変になりますが、後工程に欠陥の位置を伝える場合や、より詳細に欠陥を分析する場合にはおすすめの手法となっている。
学習手法は教師あり学習です。
③ Auto Encoder
最後にAuto Encoderを紹介します。
先に紹介した2つの手法はいずれも不良品の画像が大量に必要ですが、このAuto Encoderは良品画像のみでAIを作ることが可能です。
Auto Encoderの判定方法は、良品画像のみを覚え込ませるため、欠陥の再現はできません。つまり、入力として不良品画像を入れた場合、良品画像をAuto Encoderが再現します。
欠陥の入った不良品の画像と再現した良品画像の差分を取ることで、欠陥を見つける手法となっています。
学習手法は教師なし学習(学習データに正解を与えない状態で学習させる手法)です。
ここまで読まれた方で、特に製造業で働いていらっしゃる方は、不良品画像いらずのAuto Encoderが最適な手法であると思われてかもしれませんが、このモデルには欠点も二つあります。
Auto Encoderの欠点:
・製品の良品にばらつきがある場合には、不向きであること。
良品の再現率が低くなるためです。良品画像のばらつきが少ない基盤や電子部品の場合に威力を発揮します。
・良品の画像データが低解像度であること。
0.05mmの欠陥を見つける必要がある場合、画像の解像度は最低でも2M以上は必要になります。問題は、AutoEncoderでは、そのサイズで高解像度の画像を生成できない点です。もちろん、弱点を補うための手法などもありますが、対象製品に合った手法を見つけ、実装していくのは骨が折れる作業となっています。
外観検査におけるAIモデルの種類のまとめ
いかがだったでしょうか?
製造現場で使われるAIモデルをご紹介しました。
製造現場の外観検査でAIを導入しようとしている方はぜひ参考にしてみてください。