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エッジAIとカメラの深い関係

エッジAIとカメラの深い関係

AI(人工知能)を活用するにあたって、なぜエッジが注目されているのか、エッジAIとは何か、そして特に画像認識のためのエッジAIを現場に導入する際の、エッジAIとカメラとの関係について説明したいと思います。

エッジAIとは

エッジとよく比較される概念がクラウドです。

クラウドとは、ユーザーが持っているハードウェアやソフトウェアに関係なくインターネット経由で行うサービスの総称のことです。そして、クラウドAIとは、文字通りAIに必要な処理をクラウドで行うことを指します。

どこからでもアクセスできたり、バックアップが容易であるなど、非常に便利な技術ですが、通信環境に依存してしまうなどの課題もあります。そこで、生産ラインを止めることなく非常に短い時間での処理が要求されるような製造業では、エッジAIという概念が注目を集めています。

エッジとは、クラウドから遠い場所のエッジ(端)、より現場の近くにある端末のことで、エッジAIは文字通り、AIに必要な計算処理をクラウドにあげることなく、現場の端末で行うことを指します。具体的にはスマートフォンやスマートスピーカー、車、カメラなどのIoTデバイスを指しますが、製造現場ではGPUなどの演算装置を組み込んだボックスを導入するケースが一般的です。

現場の製造ラインから得られた情報をクラウドや社内サーバで処理を行うと遅延の発生やネットワークの負荷が高くなるため、エッジで処理を行うことで遅延なく処理が行え、ネットワークの負荷を軽減することが可能になるわけです。

エッジで使われるカメラ

AIを使用して画像認識を行わせるには二つの方法があります。1つ目はあらかじめ撮影され保存されている画像を使用する場合、2つ目は撮影を行いデータを保存しつつ画像認識を行う場合です。

先述のように製造現場では画像認識のリアルタイム性が要求されるため、後者のように、直接エッジデバイスにカメラを接続してデータを保存しつつ画像認識を行う方法が一般的です。

また、現場でAIを使用する場合のカメラ選びは非常に重要です。AIの画像認識が優れているとはいえ、認識対象が画像に写っていなければ認識できません。そのため、どんな物体を認識させるのかを決め、それに見合った解像度、露光時間、シャッタースピードのカメラを選択する必要があります。

カメラにも様々な種類があり、例えばビデオ会議等で使用するようなWebカメラや産業向けに作成されたカメラ等です。Web会議等で使用するカメラの場合、先述の解像度、露光時間、シャッタースピード等の設定を変更することができない場合がほとんどです。また、製造現場は振動が発生している場合や空気中に油が舞っているなどのケースもあり、クリーンでない場合があります。

そのため、そのような環境でも使用できる耐環境性を備えた産業用のカメラを弊社では使用しています。

エッジ端末に接続するカメラの課題

先述のように、我々は製造現場の環境に対応した産業用カメラを使用しています。

近年カメラの性能は飛躍的に向上し、高解像度、高フレームレートになってきていますが、この時、ネックになるのが転送速度です。

エッジデバイス側でカメラからのデータを受けるのは、多くの場合、EthernetやUSB3.0であり、USB3.0であればデバイスに少なくとも2port以上ついています。しかしながら、USB3.0/Ethernet共に1つのコントローラを複数のportが共用しています。そのため、規格上最大5Gbpsの通信速度を持っているUSB3.0でも、同時に通信できる速度は、各ポート5GbpS / 2port = 2.5GbpSとなります。そのため、高性能なカメラを接続する場合には、通信速度の影響により、その性能を十分に引き出せない可能性があり注意が必要です。

また、カメラを制御するためのプログラムについても注意が必要です。産業用カメラを使用する場合、それぞれのカメラメーカが提供しているプログラムを使用する必要があります。このプログラムは、C, C++言語で書かれていることが多く、AIの開発に主流であるpython言語で書かれたプログラムに画像データを渡す際に、工夫が必要になります。

エッジAIとカメラまとめ

本記事では特に画像認識を用いたエッジAIとカメラの関係について紹介しました。

弊社では、本記事で指摘した課題認識を念頭に、産業用カメラのデフォルトI/FであるUSB3.0/Ethernetを各3portずつ、かつ規格の最大通信速度を達成できるよう、それぞれのport毎にコントローラを標準装備し、カメラの制御からAIを使用したアプリまで一貫してpython言語で開発が行えるように設計したエッジデバイスニューラルキューブを販売しています。

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