ステッピングモータ（Stepper Motor）は、電気信号に応じて一定のステップ角度で回転するモーターの一種です。ロボットアームや他の自動化システムにおいて、位置制御や精密な動作が必要な場合に広く使用されます。

ステッピングモータは、固定されたステップ角度（通常は1.8度または0.9度）で回転します。電気信号によって各ステップ角度がトリガーされ、正確な位置制御が可能です。ステッピングモータは、位置フィードバックデバイス（エンコーダー）を必要とせず、オープンループ制御で使用できます。

ステッピングモータは、パルス信号（ステップパルス）を受け取り、そのパルス数に応じて回転します。一度パルスが入力されると、モータは一定の角度（ステップ角度）だけ回転し、次のパルスが入力されるまで停止します。この方式により、ステッピングモータは正確な位置制御が可能であり、位置の保持力もあります。

ステッピングモータは、低速から中速の運動に適しており、高いトルクを発生することができます。また、ステップごとに確実な位置検出が可能であり、位置のリファレンスを容易に設定することができます。ただし、ステッピングモータは高速回転や高速な動作変化には制限があり、応答性やトルクの減衰が見られる場合があります。

ステッピングモータは、ロボットアームの関節やアクチュエータ、位置決め機構の駆動に使用されます。プログラミングや制御システムを通じてパルス信号を生成し、ステッピングモータを制御することで、ロボットアームの位置制御や動作の精密さを実現します。

ステッピングモータの特性と利点により、制御シンプルさとコスト効率性が求められるアプリケーションに適しています。例えば、3Dプリンター、CNCマシン、自動テスト装置、精密機器などでよく使用されています。