鋳物・鉄の用語で「シリカ砂（Silica Sand）」は、主に鋳物の砂型作成に使用される砂の一種です。シリカ砂は主成分が二酸化ケイ素（SiO2）であり、砂の粒子が微細で均一な特徴を持っています。

シリカ砂は鋳造プロセスにおいて砂型を作るために用いられます。砂型は金属を注入するための空洞や形状を持ち、鋳物の形成に欠かせない部分です。シリカ砂はその優れた特性により、鋳造業界で最も一般的な砂型材料として広く使用されています。

シリカ砂の特徴としては、耐熱性、耐久性、耐腐食性、粒度分布の均一性などがあります。これにより、鋳造プロセス中に高温や金属の腐食に耐えることができ、正確で精密な鋳型を作り出すことが可能です。

シリカ砂は鋳造時に砂型と金属が接触するため、金属との相互作用や熱伝導性が重要な要素となります。シリカ砂は高い耐熱性を持ちながらも熱伝導性が比較的低いため、鋳造時に金属が急速に冷却されるのを防ぎ、鋳物の品質を向上させる役割を果たします。

なお、シリカ砂は一般的には天然の砂として入手されますが、特定の鋳造プロセスや要件に合わせて加工や調整が行われることもあります。また、シリカ砂は環境において比較的安定した材料であり、再利用やリサイクルも行われることがあります。