ラプラシアンピラミッド(Laplacian Pyramid)
ラプラシアンピラミッド(Laplacian Pyramid)は、画像処理におけるピラミッドの一種です。ラプラシアンピラミッドは、ガウシアンピラミッドから構築され、元の画像と再構築された画像の差分を表現します。
ラプラシアンピラミッドの構築手順は以下の通りです:
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ガウシアンピラミッドの構築: まず、元の画像に対してガウシアンフィルタを適用して、異なる解像度の画像(レベル)を作成します。ガウシアンフィルタは、画像をスムージングする役割を果たし、ノイズの低減や解像度の変更を行います。これにより、複数の解像度レベルを持つガウシアンピラミッドが構築されます。
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ラプラシアン画像の計算: ガウシアンピラミッドの各レベルにおいて、現在のレベルの画像をアップサンプリング(拡大)して次のレベルの画像のサイズに合わせます。次に、アップサンプリングした画像を元のレベルの画像から差し引いて、ラプラシアン画像(詳細画像)を得ます。この操作により、画像の詳細な情報(高周波成分)が抽出されます。
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ピラミッドの最上位レベルに到達するまで、ステップ2を繰り返します。
ラプラシアンピラミッドは、元の画像と再構築された画像の差分情報を表現するため、画像の詳細な特徴やエッジ情報が保持されます。ピラミッドの下位レベルでは低周波成分(全体的な構造)が表現され、上位レベルでは高周波成分(詳細な特徴)が表現されます。
ラプラシアンピラミッドは、以下のような応用に使用されます:
- 画像の圧縮: ラプラシアンピラミッドを用いて、画像を異なる解像度レベルで表現することで、画像の圧縮を行うことができます。
- 画像の復元: ラプラシアンピラミッドの上位レベルから下位レベルに向かって再構築を行うことで、元の画像を復元することができます。
- 画像処理のフィルタリング: ラプラシアンピラミッドを用いて、画像に対してフィルタリング操作を行うことで、画像の特定の特徴を強調したり、ノイズを除去したりすることができます。
ラプラシアンピラミッドは、画像処理のさまざまな応用で有用であり、特に画像圧縮や画像復元などのタスクにおいて広く活用されています。