メディアンフィルタ(Median Filter)
メディアンフィルタ(Median Filter)は、画像のノイズ除去に使用される非線形な画像処理フィルタです。メディアンフィルタは、画像上の各ピクセルの値を、その周囲のピクセル値の中央値で置き換えます。
メディアンフィルタの特徴は、周囲のピクセル値の中央値を取るという点です。中央値は、データの中央に位置する値であり、外れ値の影響を受けにくい特性があります。そのため、メディアンフィルタはノイズの除去において有効です。特に、ソルト・ペッパーノイズ(画像中に散在する極端な輝度値)のようなスパイクノイズを除去するのに適しています。
メディアンフィルタの手順は次の通りです:
- フィルタウィンドウ(カーネル)のサイズを選択します。一般的には3x3や5x5の正方形のウィンドウが使用されます。
- ウィンドウを画像上の各ピクセル位置にスライドさせます。
- ウィンドウ内のピクセル値を並べ替え、中央値を計算します。
- 中央値が新しいピクセル値となり、元のピクセル値がメディアンフィルタによって置き換えられます。
- 画像全体に対してステップ2〜4を適用し、フィルタ処理された画像を生成します。
メディアンフィルタは、ノイズの除去において他のフィルタよりも効果的です。特に、スパイクノイズの除去に優れており、画像の細部やエッジを保持しつつ、ノイズを軽減します。また、メディアンフィルタはノイズがランダムな場合にも有効であり、他のフィルタよりも優れた結果を提供することがあります。
一方で、メディアンフィルタは、ノイズの性質によってはノイズを完全に取り除けない場合もあります。また、フィルタウィンドウのサイズが大きすぎると、画像の細部やエッジも平滑化されてしまう可能性があるため、適切なウィンドウサイズの選択が重要です。