号口(ごうぐち、ごうこう)
「号口(ごうこう)」は、トヨタ生産方式(Toyota Production System)における用語の一つです。トヨタ生産方式は、効率的な生産体制を構築し、品質向上とムダの削減を追求するために開発された生産手法であり、世界的に広く知られています。
「号口」とは、トヨタ生産方式における生産ライン上の各工程のことを指します。生産ラインは複数の工程から構成され、製品の加工や組み立てが段階的に進められます。各工程は一つの号口を担当し、製品が号口から次の号口へと順次移動していきます。
号口では、一定の作業内容やサイクルタイム(作業時間)、品質基準などが定義されています。号口の担当者は、その工程で必要な作業を適切に行い、次の号口に製品を渡す役割を果たします。号口の役割は、製品のスムーズな流れと品質の確保を確実にすることです。
トヨタ生産方式では、号口において以下のような原則や手法が適用されます:
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ジャストインタイム(Just-in-Time): 受注や在庫を最小限に抑え、必要な製品が必要な時に生産されるようにすることで、無駄を排除し生産性を向上させます。
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ジッドカ(Jidoka): 生産ライン上で品質の問題が生じた場合に自動的に停止し、問題の解決に取り組むことで品質を確保します。
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標準作業手順書(Standard Work): 各号口で行う作業の手順やタイミングを明確に定義し、効率的な作業を実現します。
号口は、生産効率や品質管理において重要な役割を果たす要素の一つです。トヨタ生産方式では、号口の連携や最適化を通じて全体の生産プロセスを改善し、ムダを削減し、高い品質と効率を実現することを目指しています。