色空間変換(Color Space Conversion)
色空間変換(Color Space Conversion)は、画像の色情報を異なる表現方法で表すための変換手法です。一般的な色空間変換の例として、RGBからHSV(Hue, Saturation, Value)への変換が挙げられます。
RGB(Red, Green, Blue)は、光の三原色であり、画像の色情報を赤、緑、青の強さで表現します。しかし、RGB色空間では、色相(Hue)や彩度(Saturation)などの色の特性を直接的に把握するのが難しい場合があります。そこで、HSV色空間では、色相、彩度、明度(Value)の3つの要素に分解して表現します。
HSV色空間へのRGBからの変換手法は以下のようになります:
- RGBからHSVへの変換:
- 色相(Hue)の計算: R、G、Bの値から色相を求めます。一般的に、色相の値は0から360度の範囲で表現されます。具体的な計算方法は、R、G、Bを0から1の範囲に正規化し、R、G、Bの最大値と最小値を利用して色相を計算します。
- 彩度(Saturation)の計算: 彩度は、色の純度や鮮やかさを表します。彩度の値は0から1の範囲で表現されます。計算方法は、最大値と最小値の差を最大値で割ることで求められます。
- 明度(Value)の計算: 明度は、色の明るさを表します。明度の値も0から1の範囲で表現されます。計算方法は、R、G、Bの値の最大値を取得します。
HSV色空間では、色相は円状に表現され、赤や青、緑などの色相が角度として表されます。彩度は中心からの距離で表現され、明度は明るさの強さを表します。このように色空間を変換することで、画像処理アルゴリズムにおいて特定の色範囲を抽出したり、色の変化を検出したりするなど、色情報をより効果的に扱うことができます。
色空間変換は、画像処理AIにおいて色に関するタスクやアプリケーションで広く使用されます。例えば、画像セグメンテーション、色検出、色調補正、色に基づく特徴抽出などに利用されます。