勾配降下法(Gradient Descent)
勾配降下法(Gradient Descent)は、機械学習や最適化の手法の一つであり、関数の最小値(または最大値)を求めるために使用されます。特に、ニューラルネットワークの学習においてよく使われる手法です。
勾配降下法では、最小化(または最大化)したい関数(損失関数など)の勾配(傾き)を利用して、現在の位置から目的の最小値(または最大値)に向かってステップを進めます。具体的には、以下の手順で行われます:
-
初期値の設定: 勾配降下法の最初のステップでは、パラメータの初期値を設定します。
-
勾配の計算: 現在のパラメータの値における関数の勾配を計算します。勾配は、関数の各パラメータに対する偏微分係数のベクトルとして表現されます。
-
パラメータの更新: 勾配の逆方向に一定のステップサイズ(学習率)を乗じた値を現在のパラメータから引き算し、新しいパラメータの値を得ます。これによって、関数の値が最小化(または最大化)される方向に進みます。
-
収束判定: 収束条件をチェックし、アルゴリズムの終了条件が満たされるまでステップ2とステップ3を繰り返します。一般的な収束条件は、一定回数のイテレーションを実行するか、パラメータの変化が一定の閾値以下になった場合です。
勾配降下法は、最適化問題において最小値(または最大値)に収束するという保証はありません。そのため、初期値や学習率の設定、収束条件の選択などが重要な要素となります。
また、勾配降下法にはいくつかのバリエーションが存在し、特に大規模なデータセットや深層ニューラルネットワークに適用する際には、効率性や収束速度を向上させるための改良が行われます。