LSTM(Long Short-Term Memory)
LSTM(Long Short-Term Memory)は、リカレントニューラルネットワーク(RNN)の一種です。LSTMは、時系列データやシーケンスデータの処理に特化しており、特に長期的な依存関係を学習するのに適しています。
通常のRNNでは、短期的な情報は比較的良く捉えられますが、長期的な依存関係を学習するのは難しい場合があります。この問題を解決するために提案されたのがLSTMです。LSTMは、セル状態(cell state)と呼ばれるメモリユニットを導入することで、長期的な情報の保持と制御を可能にします。
LSTMのアーキテクチャには、入力ゲート(input gate)、忘却ゲート(forget gate)、出力ゲート(output gate)などのゲートが含まれています。これらのゲートは、情報のフローを制御する役割を果たします。具体的には、入力ゲートは新しい情報の取り込みを制御し、忘却ゲートはセル状態の更新と適応を制御し、出力ゲートはセル状態から出力を生成する際の制御を行います。
LSTMは、その特徴的なアーキテクチャにより、長期的な依存関係を学習する能力を持ちます。これにより、音声認識、自然言語処理、時系列予測などのタスクで良好な性能を発揮します。LSTMは、データの時間的なパターンやシーケンスの重要性を捉えることができるため、非常に強力なツールとして広く利用されています。