ファブレス（fabless）とは、企業や組織が自社で半導体チップや集積回路（IC）の設計や開発を行い、製造プロセスそのものを外部のファウンドリ（製造業者）に委託するビジネスモデルを指します。つまり、ファブレス企業は製品の設計とマーケティングに特化し、製造自体は外部の製造業者に委託します。

ファブレス企業は、自社で半導体ファブリケーション（製造工程）施設を保有しないため、高度な設備や技術を持つファウンドリに生産を委託することで、製造コストやリスクを削減することができます。また、ファブレス企業は複数のファウンドリと提携することで、異なる製造プロセスや技術を活用する柔軟性も持っています。

このモデルは、特に半導体産業において広く採用されています。設計やマーケティングに特化することで、ファブレス企業は新しい製品を迅速に市場に投入することができます。また、ファウンドリは大量生産に適した製造プロセスを持っているため、効率的な生産が可能です。

ファブレスモデルは、製造プロセスの高度化と専門化の進歩によって成り立つようになりました。設計技術の進歩とファウンドリの専門知識と生産能力を組み合わせることで、半導体産業は効率的かつ革新的な製品開発が可能となりました。