絞り値（Aperture）は、カメラのレンズの絞りの大きさを表すパラメータです。絞りはレンズ内の可変な開口部であり、レンズの中心にある円形の孔を指します。絞り値は、この開口部の大きさを制御するための数値です。

絞り値は通常、f値として表されます（例: f/2.8、f/4、f/16）。f値は絞りの大きさを示す比率であり、絞りの開口部の直径をレンズの焦点距離で割った値です。例えば、f/2.8の絞り値は、レンズの焦点距離を2.8で割った値になります。

絞り値の選択は、被写界深度（Depth of Field）と露出の調整に影響を与えます。被写界深度は、写真中の前景から背景までの範囲で鮮明に映る領域を指し、絞り値の大きさによって制御されます。大きな絞り値（小さいf値）を使用すると、被写界深度は浅くなり、被写体が鮮明に写り、背景はぼかされます。一方、小さな絞り値（大きいf値）を使用すると、被写界深度は深くなり、前景から背景までの範囲が広く鮮明に写ります。

絞り値はまた、露出にも影響を与えます。大きな絞り値（小さいf値）を使用すると、より多くの光がレンズに入り、画像は明るくなります。逆に、小さな絞り値（大きいf値）を使用すると、光の量が制限され、画像は暗くなります。絞り値は他の露出パラメータ（シャッター速度とISO感度）と組み合わせて調整され、適切な露出を得るために使用されます。

絞り値はカメラのレンズによって制御され、一部のレンズでは手動で設定することができます。また、カメラの撮影モードや状況に応じて、自動設定（絞り優先モードやプログラムモードなど）を使用することもできます。