鋳物・鉄の用語で「精錬（Refining）」は、鉄やその他の金属を製錬・精製するプロセスを指します。精錬は、鉄鉱石や他の原料から不純物や不要な成分を取り除き、所望の品質や純度を得るために行われます。

鉄の精錬は一般的に以下の手順で行われます：

1. 原料の選別: 鉄鉱石やスクラップなどの原料から、精錬に適したものを選別します。原料には鉄分以外の不純物や副産物が含まれていることがあります。

2. 原料の前処理: 選別された原料は、適切なサイズに砕かれたり、洗浄されたり、乾燥されたりすることがあります。これにより、精錬プロセスの効率性や品質が向上します。

3. 焼結または還元: 鉄鉱石を高温で焼結させるか、還元反応によって鉄鉱石から鉄を取り出します。焼結によって鉱石が固結し、還元によって酸素や不純物が鉄から分離されます。

4. 脱硫: 鉄には硫黄などの不純物が含まれることがあります。脱硫のプロセスによって、鉄から硫黄が除去されます。一般的な方法には、酸素を吹き込んで硫黄を酸化させる方法や、脱硫剤を添加する方法などがあります。

5. 高炉または電気炉での精錬: 鉄の精錬は、高炉や電気炉などの特殊な設備で行われます。高炉では鉱石やスクラップを溶解させ、不純物をスラグとして分離します。電気炉では電気アークや電気抵抗によって鉄を溶かし、不純物を除去します。

6. 追加の精錬処理: 必要に応じて、鋼の製造プロセスである酸素吹き込みや脱炭、脱窒などの追加の精錬処理が行われることもあります。