そもそも外観検査とは?
今回は、そもそも製造業の生産現場で実施されている部品や製品の外観検査の基礎知識をご紹介します。
外観検査とは?
外観検査(Visual Inspection)とは、製造業において、部品や製品の品質を維持・保証するために、表面などに付着した異物や汚れ、傷、バリ、欠け、変形などの外観をチェックする検査です。主に部品や製品の表面に付着した異物や汚れ、傷、バリ、変形など外観上の欠陥を確認し、良品であるか否かの判定を実施します。
外観検査の重要性
外観検査は、お客様に提供する部品・製品の品質が一定のレベルに適合しているかを評価する工程です。外観検査で発生する傷や異物は、のちの工程での異音発生や不具合、最終顧客からのクレーム、場合によっては事故に繋がるため、不良品流出を防ぐことは非常に重要となります。
人による外観検査が抱える問題
現在、多くの製品は人によって外観検査が行われていますが、人が行う以上完璧ではありません。以下のようにいくつかの問題を抱えています。
・品質問題
判断能力は人によって異なり、同じ人でも調子に左右され品質が必ずしも安定しているとは言い切れません。
・生産性
どんな部品でも、手に持ち、目で見て判断し、置くというプロセスが発生するためどんな小さな部品でも一瞬で検査を完了することは出来ず、大量生産の部品では人の検査時間が生産性に影響する場合があります。
・労働力不足
少子高齢化が進み、労働力の不足は大きな社会課題となっています。外観検査も例外ではなく、人の確保が難しくなっています。
外観検査で自動化が難しい理由
上記の問題の対策として、まず浮かぶのが自動化です。外観検査の自動化が出来れば、検査品質は安定し、労働力を確保する必要もありません。高性能な設備を使用すれば、人が行うよりも高速での作業も可能です。
自動化のメリットは非常に大きいですが、なぜ自動化が進まないのでしょうか。その大きな要因の一つが、事前準備が困難ということです。
詳細については別途、AI検査と従来画像検査の違いにて紹介します。
外観検査のまとめ
いかがだったでしょうか?外観検査の概要をご紹介しました。
外観検査は加工した製品に欠陥が無いかを検査する工程です。そして、欠陥の有無は最悪の場合、事故に繋がり人の命を危険にさらす可能性があるため、外観検査は非常に重要な工程です。外観検査を自動化するメリットは多いですが、制約も多く簡単ではありません。
しかし、最近ではディープラーニングをはじめとするAI技術の発展により、従来は困難であった外観検査の自動化の実用可能性が広がってきています。
ぜひ参考にしてみてください。