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【ニューラルキューブ導入事例】AI実装に必要なアプリが事前にインストールされた推論デバイスを活用し、AI外観検査システム開発で160時間の工数削減を実現

【ニューラルキューブ導入事例】AI実装に必要なアプリが事前にインストールされた推論デバイスを活用し、AI外観検査システム開発で160時間の工数削減を実現

Musashi AI でオリジナル推論デバイスを開発した理由

AIを使った外観検査は、検査用のAIモデルを作成するだけでは完成しません。

検査対象を撮影し、欠陥が無いかを判断する「検査機」という形にして初めて完成と言えるでしょう。

通常、AIモデルを作成する場合は、高価で高速処理が可能なスーパーコンピュータが使用されます。そしてモデルが正しく動作するかの検証もスーパーコンピュータを使用して実施されることが多いです。

しかし、現場で使用する検査機の場合、一台ごとに高価なスーパーコンピュータは使用できず、安価な推論デバイスにAIを実装する必要があります。

今回は、エッジAIデバイスを自社開発した Musashi AI についてご紹介します。

Musashi AI がAI 検査機開発で直面した課題

Musashi AIは、武蔵精密工業の工場内でAIを実装する際に想定していなかった問題に直面しました。それは推論デバイスを使用するためのセットアップを行っているときに起こりました。

推論デバイスでAIを動作させるためには、必要なソフトウェアのインストールが必要ですが、用意した推論デバイスには何も入っておらず、エンジニアは一から導入方法を調べセットアップする必要に迫られたのです。

なんとか情報を見つけ導入をトライしてもバージョン違いなどでなかなかスムーズに導入することができず、トライアンドエラーを繰り返すことになりました。エンジニアは対応に追われ、工数だけがかさんでいったのです。

エンジニアのセットアップ工数はなんと280時間

当時対応していた案件に対し、エンジニアのセットアップ工数は280時間にものぼりました。

そこで、Musashi AIでは、ソフトウェアセットアップ時間の短縮や、製造現場で推論デバイスを使用する上で起こりうるハードウェアの問題に対処する方法として、オリジナルのAI推論デバイス「Neural Cube」(ニューラルキューブ )の開発に着手することになります。

Neural Cube開発秘話はこちらを参照:

エッジデバイス「Neural Cube(ニューラルキューブ)」開発秘話

ここで上記の推論デバイスセットアップに苦労し、Neural Cube(ニューラルキューブ)開発を主導した Musashi AI藤田氏にNeural Cube(ニューラルキューブ)を実際に使用した感想を伺いました。

ニューラルキューブを使用することの効果は?

デバイスのセットアップをする必要がなく、AIの開発に集中することができたため、より効率的にAI開発ができていると思います。

また、複数台のデバイスを使用する場合にも、自分たちのアプリの実装をするだけで済むため費用対効果はより大きくなると思います。

ニューラルキューブのハードウェアで良かった点は?

Ethernet ポートが3つあり、開発者キットに比べて複数通信を同時にできる利点があり一週間は開発を早めることが出来ました。

また、電源がDC24Vで取れることと、DINレールがあることで現場に組み込みやすく、無い場合に比べ、追加部品の購入手配がいらなくなり開発をさらに一週間は早めることができました。

どの程度セットアップ工数は削減できましたか?

開発環境構築に関わる工数を丸ごと削減することができ、初回にかかった時間と比較するとおよそ160時間程度短縮出来ました。

以下はAI開発環境構築にかかる工数の比較図です。

今後改善していきたい点は?

ハード面では防水・防塵に対応したケースを作成し、様々な環境で使用できるようにすることを考えています。

ソフト面では、新しいモデルにも対応するためプリインストール済みのソフトウェアのバージョンアップに対応していきます。

以上です。

どうも、ありがとうございました。

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