【AI外観検査装置導入事例】リングギアの量産ラインで、スパッタ検査のAI精度NG判定率100%、過検知率7%を達成」(武蔵精密工業)
武蔵精密工業では、Musashi AI の開発した「AI 外観検査装置」を実際の生産現場で導入していただいています。今回は、武蔵精密工業でATG(オートマティックギヤ)のセクションチーフを担当されている大和さんと太田さんに、導入にあたってのお話をお伺いしてきました。
検査対象について教えてください。
AT車両の10速ATで使用するリングギヤです。
溶接部分のスパッタ(溶接作業時の溶けた金属が飛散して粒状に固まったもの)にAI外観検査装置を使用しています。
AI 外観検査装置を導入するきっかけは?どのような課題がありましたか?
外観目視検査の自動化を考えたのが導入のきっかけです。
導入前は人が全て目視検査を行っていましたが、担当者毎で検査結果にバラつきがありました。
AI検査装置を導入することで、検査のバラつきを無くしたいと考えていました。
導入の決め手は何でしたか?
元々、他社メーカーの画像処理検査機を使用していましたが、あまり精度はよくありませんでしたので、AI外観検査装置を導入しました。
導入する際の社内の反応はどうでしたか?
本当にうまくいくのかという雰囲気でした。
導入してからどのような変化がありましたか?
学習させたものと近いスパッタは精度よく検出できています。
一方で、スパッタは様々な形状や大きさがありその全てには対応できていないという課題があります。そのため、まだAIと人のダブルチェック体制ですが、今後はさらなる省人化を実現したいと思っています。
人とAIを比べた作業(クロスタブ)で人の判定もちょっとばらつきがあるというのが分かったことも良かったことだと思います。
導入にあたり苦労した点はどこですか?
スパッタの判定基準の明確化です。
基本、人の目で「スパッタという感覚があったら取る」ということで製造の方では行っていました。そのため、品質保証部で基準を作ってもらっても、どこまで固定の基準で対応できるのか分からないというのがありました。明らかに大きいものだったら分かるのですが、人の目のばらつきもたぶんあると思いますので、基準が小さくなればなるほど難しさはあったっと思います。
今後、Musashi AIに期待することはありますか?
まずは、スパッタ検査のさらなる精度向上です。他には、このワークにはスパッタ以外にもブローホールや溶接部の内側に糸張りが出たりと他に検査して欲しい部分もあります。
最終的には、検査は全てAI外観検査機がやってくれ、作業者は修正と梱包だけという形に持っていきたいと考えています。
品質管理にあたり大事にしていることは何ですか?
絶対に不良品を出さないことです。
以上、ありがとうございました。